< 2021年 5月>

ちょっと真面目に石垣島のサンゴのお話☆2021/05/09

:2021月05日09日 天気:晴れ
最高気温:30℃
最低気温:26℃
水温:25℃
スーツ:5mmワンピース+フードベスト

石垣島ファンダイビング&体験ダイビング&ライセンススクール日記スタートです

うみの教室では、5/22~30の間にサンゴの産卵狙いのナイトダイビングを開催する予定です!
サンゴの産卵ナイトダイビングについて、詳しくは⇒こちら

そこで、今日はサンゴ豆知識

海の中を彩ってくれるサンゴ
サンゴって石みたいに固いし動かない、、、
植物なのかな~となんとなく思っている方も多いかな???けど、本当は動物なんです!
サンゴは「ポリプ」と呼ばれる小さなサンゴ個体が共通の「骨格」にたくさん集まってできています。
「ポリプ」には触手があり、水中のプランクトンを食べていますよ。


ほら、この写真を見ると、よくわかりますね。
このピロピロ(?笑)しているのが触手です

サンゴは世界中で約800種類、沖縄には200種が確認されているんですって
形状はいろいろ平べったかったり、木の枝の様だったり、岩みたいだったり
エダサンゴやテーブルサンゴは分かりやすく‘サンゴ’ですが、こんなのもサンゴなんですよ!
ハマサンゴ

ユビエダハマサンゴ

リュウキュウキッカサンゴ

サンゴは「褐虫藻」という海藻の仲間と共生しています。
「褐虫藻」は体調の光で光合成をして、サンゴや周りの生物たちに酸素や栄養を供給しているんです。(褐虫藻はとても小さくて肉眼では見れないそうです)
サンゴは触手を伸ばしてエサをとる一方で、褐虫藻の協力で生きています

ではそのステキな共生関係が崩れた時・・・どうなるか・・・
様々なストレスにより褐虫藻がサンゴからいなくなってしまうと、サンゴは白化します

石垣で記憶に新しいのは、2016年の水温上昇によるサンゴの白化です。
白いサンゴはぱっと見、とってもきれいではあるのですが・・・

この写真も、何も言われなければ、穏やかな水中世界の日常に見えませんか?
でも、見てください!
左側や手前のサンゴは白化してしまっていますね。

褐虫藻がいなくなって、サンゴが白化してしまっても少しの間なら、サンゴも自分で頑張れます。
白化して暫くしたら、褐虫藻が戻ったのでしょう、元の色を取り戻したサンゴを私も見たことがありますよ。
でもその褐虫藻のいない状態が長く続くと・・・そう、サンゴは死んでしまいます

色とりどりのサンゴから褐虫藻が消えると真っ白くなり、さらにその状態が長く続くと、白いサンゴに藻が付き、黒くガレていきます。
色彩豊かがサンゴが白から黒に・・・なんだかとても悲しいですね


また、そんな気候変動的な要素とは関係なく、水中世界で巻き起こる日常でも、サンゴは海中生物の‘ごはん’にもなります
チョウチョウウオの仲間はサンゴのポリプを好んで食べる種類がいたり、ブダイは丈夫な歯でガリガリサンゴをかじっているのを見たことありませんか???
そして、サンゴの天敵と言えば、オニヒトデ!!
わからない方もいるかもしれないので、画像を・・・とも思ったのですが・・・
私の心情的に、あんまりオニヒトデの画像は載せたくないので、載せませでした
すいません・・・

このオニヒトデ、昼間はサンゴの隙間に隠れて、夜になったら這い出して食欲旺盛にサンゴをどんどん食べていきます。
10数年前に石垣北部でも突然大発生し、美しいサンゴが壊滅的な被害を受けました
あの時なんか、お昼間はサンゴの隙間に隠れいているハズの夜行性のオニヒトデが、日中もあちらこちらに・・・隠れるサンゴの隙間がないくらいにいっぱいで・・・
北部のダイビング業者で駆除はするものの、追いつかず・・・大変な時期でした。
あ~~~、よみがえる過去の記憶~

数年後には、あの大量のオニヒトデはどこに行った??っていうぐらい、ぜーんぜんいなくなって、、、ほんと、どこに消えたんだろ

 

あ、話を戻して、チョウチョウウオやブダイもサンゴを食べてるんですけどね、オニヒトデからみたら可愛いものだからか?オニヒトデだけが諸悪の根源の様にきらわれてしまっております。ですが、彼らも微妙な関係で自然界では成り立っているようですよ。
(10年前の大発生みたいな状態は別ですが)

枝状のミドリイシ類は1年で1~2センチも成長します。
しかも、四方八方に延びるので、1年ではかなり大きくなります。
一方、塊状サンゴ類は1年に数ミリ成長するかどうか、、、とっても成長が遅いんです。
そして、オニヒトデはこの成長の早いサンゴ類を好んで食べるんです。
つまりオニヒトデのおかげで、成長の遅いサンゴ類も生育できる余地が生じ、サンゴの種の多様性が高くなるという効果があると言えるんです。
もしかしたら、こんな枝サンゴやテーブルサンゴの間にある塊状のサンゴたちの助けになってるのかも

へぇ~~~、そんな一面もあるんだぁ!とちょと感慨深いですね

同じ画像からもう1か所注目!

これはサンゴが攻防を繰り広げた箇所、、、だと思います・・・
テーブルサンゴが不自然な形になって整っていませんよね。
下のサンゴがを求めてテーブルサンゴを攻撃し、光を勝ち取ったんじゃないかな~
ちょっと自分に自信が持てず、言いきらずに書いてみました・・・

ということで、サンゴ礁の自然は、たくさんの生物の絶妙なバランスによって保たれていることがわかりましたね!

そして、そろそろまとめと共に残念なお知らせを・・・
うすうす気づいている方もいらっしゃるとは思いますが、、、残念ながらサンゴにとって一番の天敵は、私たち人間です

自然破壊、環境汚染、森林伐採、農地や土地開発による赤土、生活排水、地球温暖化・・・これらがサンゴを病気や死へ追いやってしまいます。


悲しいことですが、世界中の海でかつてあった大きなサンゴ礁をなかなか見つけることが出来なくなってしまいました。
そんな中、石垣北部では、崩れては再生し、今も着々とサンゴが育ってきてくれています。
潜るだけで幸せな気持ちになれるサンゴの海が広がっています
もはやこの海は奇跡なのかもしれなーい

大切なのは、私たちが自然のバランスを崩さないように努力することではないかと・・・
最近話題のSDGsの取り組みの中にも、自然環境に対するものが入っていますね。
1人1人が自分のできる小さな1歩からサンゴを守っていけたらいいな

そして、ダイバーの私たちだからこそできること。
それは、美しいサンゴ礁を見て、自然を心と体で感じること、そして、その感動を一人でも多くの人に伝え、関心を持ってもらうこと!
と、思う今日この頃です。

サンゴの豆知識から、お話がちょっと壮大になってきちゃった感がありますが

10年後も50年後も100年後も、このサンゴの楽園が続きます様に~

今日は思わず長文になってしまいました
お付き合いいただき、ありがとうございました

石垣島ダイビング体験ダイビング&ライセンススクール日記
本日の担当はドラでした!次回の日記もお楽しみに~

 

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