ダイバーに役立つ情報を!!今更聞けない?!知識・知見を深めようのコーナー
こんにちは~!ななです(^O^)/
さて私のお送りする記事的なブログの1つに“安全”について触れたものがありました
読んでいただけておりますでしょうか~~??
潜りに行く前に必読な内容に仕上がってます(^O^)/
【潜水事故を0に】安全ダイビングの為に私たちがしなければならない10のこと!
これに続いてまた安全に絡んだ1ネタをお届け!!
題して
【安全に潜るならエンリッチを使え!】~医学から見た有用性~編~~!!
世界基準で様々な講習を行っているPADIが今、安全潜水のためにオススメしているスペシャリティが“エンリッチド・エア・ダイバー・スペシャリティコース”です。
エンリッチドエアナイトロックスSP
エンリッチド・エア・ナイトロックス(以下EANx)は日本でも最近になってようやく急速に普及が進んで、ダイバーにとってさらに身近なものになってきました。
が、「気になるけど使う勇気がない」という方のためにここからご紹介!!
普段、私たちが呼吸している空気は、酸素21%、窒素79%という組成ですがダイビング中に窒素が体内にたまるのを抑えるため、酸素の濃度を増やしたエアのことをエンリッチド・エア・ナイトロックスといいます。
Enriched Air Nitoroxの頭文字をとってEANxと表すこともあり、xの部分には酸素濃度(%)が記載されます。
最大EAN99までの混合比で使われるが、レジャーダイビングは主に酸素32%のEAN32や36%のEAN36が使われています。
EANxを使うとどんなメリットがあるのでしょう。
・呼吸が楽
・頭がクリアになる
・頭痛が少ない
・疲れにくい
ということが代表的には挙げられるかと。
「呼吸が楽」というのは、酸素濃度が高い分、運動量が多いときは空気を吸うより楽に感じる可能性があるということ。
「頭がクリアになる」というのは、空気で潜るよりも窒素酔いが発生しにくいからではないかと考えられています。
「頭痛が少ない」というのは、高分圧の酸素を使うので脳の血管が拡張しづらくなり二酸化炭素蓄積性頭痛が起こりにくくなる可能性があります。
「疲れにくい」ことについては、最初の3項目を感じられるならあり得そうですね。
ただしこれらは生理的に推測される効果であり、明確なデータではないのが残念なところ・・・
明らかなメリットとしては、「減圧症が予防できること」「空気より長時間ダイビングができること」の2点。
※EANx用のダイブテーブルやコンピュータに準じると空気を使った時と同程度のリスクになってしまう。
つまりEANxを使って深く長く潜ってしまうと空気と同じリスクになります。
空気用のダイブテーブルに従うか、ダイブコンピュータを空気モードに設定しておけば減圧症になる確率は低下する可能性があるでしょう!
・深場に長時間いるダイバー
減圧症の予防をするという意味で深場に行くことが多いダイバーにはEANxは有用になります。
ただし酸素中毒が現れない限界水深を守らなければいけません。
例えば【表3】を見ると空気潜水での水深18.2mの無減圧潜水時間(減圧停止しなくて良い時間)は60分ですが、EAN32の場合は100分となり、40分も長く潜れることになります。
カメラ派のダイバーにとっては嬉しいメリットですね!!
・1日何本も潜るダイバー
1日のうち1本をEANxにするだけでもメリットが実はあります。
1本目に深場に潜り2本目を浅場を潜るときは1本目をEANxにするとGood!!
逆に1本目はチェックダイブなどで浅場に潜り2本目に深場を潜るときは2本目をEANxにするべきです。
EANxを2本目に使うことにより窒素換算上リバースダイビング(1本目より2本目の方が深い水深へ潜るダイブプロフィールのこと)を避けることもできます。
例えば1本目に15.2mまで潜った後、2本目にEANxで18.2mまで潜ると、実際の深度はリバースダイビングになってしまいますが、2本目を【表3】で換算すると水深は14.3mになるため、実質リバースダイビングにはなりません。
つまり反復潜水が増えれば増えるほどEANxを使うメリットが高くなっていくということです!!
・ダイビング後、飛行機に乗るダイバー
ダイビング後飛行機に乗る場合、1本潜ったときは12時間、連日もしくは1日2本以上潜ったときは18時間以上空けてからの搭乗が目安でしたね。
そこでEANxを使って残留窒素を少しでも少なくすれば安全率は高まります。
ただし計算上はOKだとしても航空搭乗のガイドラインを逸脱するわけにはいきません。
EANxを使ったとしても搭乗までの時間を短縮しないようにしたいところですね!
また高所(標高300~600m)を移動するダイバーも同様です。
空気で潜っていているダイバーと一緒に潜るとき、深度や潜水時間をEANxで潜るダイバーに合わせてしまうと空気ダイバーのリスクが上がってしまいます。
なのでEANxダイバーが空気ダイバーに合わせることが基本ですね!!
・急性酸素中毒や窒素酔いを起こさない最大深度のこと
EANx酸素濃度が高く、高圧下(深い深度)で吸うと酸素中毒を引き起こす可能性があります。
窒素酔いも同様ですが、EANxは窒素濃度が低くなる分安全限界水深は空気よりも深くなります。
急性酸素中毒の症状で危険なものは痙攣(体が動かない)や失神(意識ない)など、水中で起きると溺れてしまうしまうようなもの。
これを発生させないために水深を守る必要があります。
急性酸素中毒は使用するタンクの酸素濃度が関係してきます。
【表4】にはそれぞれ酸素中毒と窒素酔いの全限界水深が記されています。
ただし窒素以外のガスも高圧環境で吸うと窒素酔いに似た作用をもたらすこともあると言われているため、レジャーダイビングではいずれのエアを使う場合も水深29mまでにした方が良いともされています。
・ダイビング開始前
窒素の吸収と排出について空気とEAN32を比べてみましょう。
ダイビング開始前、大気圏下で空気を吸っても窒素の出入りはありません。
しかしEAN32を吸うと窒素が排出されます。
なぜ排出されるのかというと、私たちは普段約1ℓの窒素が体内飽和した状態で生活しています。
窒素濃度が低いEAN32吸うと組織より肺胞内の窒素分圧が低くなるため、窒素が肺胞内に移動するからである。
わずかでも体内の窒素が減った状態でダイビングを開始できるのがメリット!!
・潜降中
潜降中は空気ダイバーもEAN32ダイバーも窒素が体に溶けこみ始めます。
深く潜れば潜るほど肺胞内血液中の分圧較差が大きくなり窒素は体に吸収されやすくなりますが、EAN32ダイバーは空気ダイバーより分圧較差が小さいため窒素の吸収が緩やかになります。
・ダイビング中
例えば、水深30mでは「空気の窒素分圧:EAN32の窒素分圧=3.16ATA:2.72ATA」(ATAとは絶対気圧のこと)となり、EAN32は空気より3.16‐2.72=0.89ATAも低くなります。
蓄積される窒素の長は時間が経てばたつほど差が大きくなるので長時間潜るときこそEANxを使った方が良いということになります。
・浮上中
浮上中、EAN32ダイバーは空気ダイバーより肺胞内の窒素分圧が低い分、窒素が速やかに排出されます。
肺胞内の窒素分圧が下がると、窒素は組織→血液→肺胞内へと移動し始めますが、各組織の窒素は飽和に向かいます。
これは環境圧が低くなると溶解できる気体の量が少なくなってくるためです。
組織によっては飽和になり気泡が発生することもあります。
気泡ができるということは減圧症になる可能性があるということです!!
空気ダイバーよりEAN32ダイバーの方が溶解している窒素が少ないので減圧症になるリスクも少なくなります。
・ダイビング終了後
ダイビング終了時点では、明らかにEAN32ダイバーの方が空気ダイバーより残留窒素が少なくなります。
さらにEAN32ダイバーがエグジット後もガスを吸い続けると残留窒素が速く排出されます。
つまりEAN32は終始窒素の取り込みを抑えてくれているということですね( *´艸`)
かなり難しい内容になってしまいましたがいかがでしたでしょうか??
これから先のダイビングはすべてこのエンリッチに変わっていくとも言われています。
まだ資格をもっていないよ・・・という方もまだ全然遅くはありません!!
安全に体もいたわってダイビングしましょう~~~
ではまた(^^)/
追記
「0」と「5」の付く日に頑張って更新してますよかったら見てくださーい
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